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Jomon-sugi Cedar 屋久島の縄文杉はどんな杉? 

2017年で縄文杉が発見されて50周年!

有名な屋久杉なのに分からないこともあるけれど、まとめて見ました。

何も知らないで縄文杉と出会うのも良いけれど、事前に知っておくと感じることもあるかも?

出典、参考元:屋久杉巨樹・著名木、南日本新聞、読売新聞、遺伝1984年4月号、自然探訪屋久島

まずは縄文杉の基本情報

日本で一番太い杉。ちなみに杉は日本にしかない樹木なので世界で一番大きな杉。

標高1300mの世界自然遺産登録エリア内に生育しています。

樹高:25.3m。背はそんなに高くなく、日本で一番背の高い杉が秋田杉「キミマチスギ」58m。

胸高周囲(幹周り):16.4m。大人12~13人で一抱えできる大きさ。

直径は約5.1m。お相撲の土俵直径が4.55mだから太いですよ。

​着生している木本:約13種(ソヨゴ、サクラツツジ、スギ、マルバヤマシグレ、ナナカマド、ヒメシャラ、アオツリバナ、ヒカゲツツジ、ヤマグルマ、アセビ、アクシバモドキ。

縄文杉とヤクシカ

縄文杉を横切るヤクシカ

朝日のあたる縄文杉

朝日のあたる縄文杉

縄文杉と向き合う

縄文杉と向かい合うひととき

縄文杉の歴史的背景

  • 昭和41年以前:縄文杉の周囲の試し切りの跡からすでに江戸時代には知られていたと考えられる。

  • 昭和41年(1966)5月、大王杉から高塚分岐点への近道を開設中、上屋久町観光課に勤めていた岩川貞次氏(明治36年生まれ。当時:63歳)によって発見される。岩川氏は樹齢6900年と推定し、大きな岩のように見えた為、大岩杉と命名する。大王杉よりもっと大きな杉があるという古老の伝承を確かめたいと岩川氏が47年目にようやく見つけてという話もある。

  • 昭和42年1月1日、南日本新聞の一面に「生き続ける縄文の春、推定樹齢4千年、発見された大屋久杉」の見出しで大きく報道される。この後から「縄文大岩杉(通称:縄文杉)」という名称が一般化されはじめる。

  • 昭和59年より年間5千人を超える登山者の踏圧により、下草が枯れ、雨で土が流れ、根が浮きあがるなどの問題から環境庁と鹿児島県が周辺に木片を積み上げるなどの根元の保護対策を進める。

  • 昭和63年:上屋久町は宮之浦から縄文杉近くの高塚山(標高1396m)まで全長2200mのロープウェイを建設する計画を表明したが、日本山岳会が「生態系を崩す」と環境庁に中止を要望し、計画が中断される。

  • 平成4年6月。鹿児島県は樹勢が衰えた縄文杉をよみがえらせようと土砂をふもとから運び上げる「生命の砂。一握り運動」を行った。一握り運動では、登山口の小杉谷集落跡近くに約2.5立方メートルの土をナイロン袋を用意し、登山者に縄文杉まで砂を運んでもらう自然保護運動を実践してもらった。

  • 平成5年12月:屋久島は日本で最初の世界自然遺産に登録される。

  • 平成6年7月:登山者に踏み荒らされている根本部を保護するため、約20m手前にロープを張り、立ち入り禁止にする。

  • 平成8年3月:世界自然遺産区域の一角である縄文杉の根の保護と周辺の植生回復のため、展望デッキが設置される。

  • 平成17年:縄文杉損傷事件発生。幹の一部がえぐりとられる事件が発生しました。

  • 平成17年:推定樹齢1000年の縄文杉の枝が大雪の重さで折れる。現在、屋久杉の博物館:屋久杉自然館にて「いのちの枝」(長さ5m、重さ1.2t)として展示中。

  • 平成21年:環境負荷の軽減と混雑緩和のため、縄文杉への登山口(荒川登山口)へは通年(3月~11月)車両乗入規制が行われる。

縄文杉、謎の樹齢!?
  • 昭和41年、発見者の岩川貞次氏は樹齢6900年と推定。

  • 昭和42年1月1日、南日本新聞では「推定樹齢3千年以上。4千年ともいう。その一粒がタネが芽を出したころ、縄文時代であった。」と掲載。

  • 昭和51年、九州大学の真鍋氏は、年輪の成長(屋久杉の年輪密度の統計数値など)と気象の関係から樹齢7200年と推定する。

ここまでは、幹の胸高周囲や直径からの推定樹齢。

  • 昭和59年、鹿児島大学の岩松氏が6300年前の大噴火の際、火砕流に屋久島が覆われ、植生は壊滅的に破壊された可能性が高いと発表。その為、縄文杉の樹齢6300年以降説が浮上する。

  • 昭和59年1月、大王杉と縄文杉の放射性炭素による年代測定法で樹齢を調査する。学習院大学の木越氏は、縄文杉の一番古い木片から2170年±110年と推定する。(ちなみに大王杉は3000年±160年。)

  • 大阪市立大学の太田氏は幹の直径の割には樹高が低いこと、樹皮に異常な接合部があることなどから数本の木が合体した合体木ではないかという考えを示す。

  • ​鹿児島大学の田川氏は、6300年前の火砕流によって根元から折れてしまった古い縄文杉の株の上に、新たに2代目として芽生えたのが現在の縄文杉で、長い年月の間に古縄文杉は腐朽してしまったが幹の途中に見られる段差はその名残ではないかと述べている。

​現在、中心に近い部分は空洞になっているため、科学的に樹齢を割り出すのはほぼ不可能と言われています。

未だに謎の縄文杉の樹齢。実際に見て、自分なりに想像して見るのも面白いのではないでしょうか?

縄文杉の大きさ.jpg

現在、縄文杉を守るため近くで見ることができません(10mほど離れています)。
設置されている展望デッキから眺める形になります。

もし、近くで見ることができれば写真のような大きさになります。屋久杉自然館の実寸大縄文杉パネル

屋久杉土埋木.jpg

ちなみに屋久島にはおおきな屋久杉がいっぱい!
こちらは昭和60年科学博覧会EXPO85(つくば博)に展示された推定樹齢2000以上の屋久杉。
縄文杉にこだわらなくても屋久島の様々な場所で千年以上の屋久杉を堪能することができます。
​苦労の割には近くでみることができない縄文杉コースよりも近くで屋久杉を見ることができる白谷雲水峡ヤクスギランドのコースがおすすめです。
​いずれも縄文杉コースよりもお客様の満足度の高いコースです。

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